エフェソの信徒への手紙2章

◆死から命へ

(1)さて、あなたがたは、以前は自分の過ちと罪のために死んでいたのです。(2)この世を支配する者、かの空中に勢力を持つ者、すなわち、不従順な者たちの内に今も働く霊に従い、過ちと罪を犯して歩んでいました。(3)わたしたちも皆、こういう者たちの中にいて、以前は肉の欲望の赴くままに生活し、肉や心の欲するままに行動していたのであり、ほかの人々と同じように、生まれながら神の怒りを受けるべき者でした。(4)しかし、憐れみ豊かな神は、わたしたちをこの上なく愛してくださり、その愛によって、(5)罪のために死んでいたわたしたちをキリストと共に生かし、――あなたがたの救われたのは恵みによるのです――(6)キリスト・イエスによって共に復活させ、共に天の王座に着かせてくださいました。(7)こうして、神は、キリスト・イエスにおいてわたしたちにお示しになった慈しみにより、その限りなく豊かな恵みを、来るべき世に現そうとされたのです。(8)事実、あなたがたは、恵みにより、信仰によって救われました。このことは、自らの力によるのではなく、神の賜物です。(9)行いによるのではありません。それは、だれも誇ることがないためなのです。(10)なぜなら、わたしたちは神に造られたものであり、しかも、神が前もって準備してくださった善い業のために、キリスト・イエスにおいて造られたからです。わたしたちは、その善い業を行って歩むのです。

◆キリストにおいて一つとなる

(11)だから、心に留めておきなさい。あなたがたは以前には肉によれば異邦人であり、いわゆる手による割礼を身に受けている人々からは、割礼のない者と呼ばれていました。(12)また、そのころは、キリストとかかわりなく、イスラエルの民に属さず、約束を含む契約と関係なく、この世の中で希望を持たず、神を知らずに生きていました。(13)しかしあなたがたは、以前は遠く離れていたが、今や、キリスト・イエスにおいて、キリストの血によって近い者となったのです。 (14)実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、(15)規則と戒律ずくめの律法を廃棄されました。こうしてキリストは、双方を御自分において一人の新しい人に造り上げて平和を実現し、(16)十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました。(17)キリストはおいでになり、遠く離れているあなたがたにも、また、近くにいる人々にも、平和の福音を告げ知らせられました。(18)それで、このキリストによってわたしたち両方の者が一つの霊に結ばれて、御父に近づくことができるのです。(19)従って、あなたがたはもはや、外国人でも寄留者でもなく、聖なる民に属する者、神の家族であり、(20)使徒や預言者という土台の上に建てられています。そのかなめ石はキリスト・イエス御自身であり、(21)キリストにおいて、この建物全体は組み合わされて成長し、主における聖なる神殿となります。(22)キリストにおいて、あなたがたも共に建てられ、霊の働きによって神の住まいとなるのです。