ヨハネによる福音書 2章8節〜20節 |
羊飼いと天使(8)その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。(9)すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。(10)天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。(11)今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。(12)あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」(13)すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。
(14)「いと高きところには栄光、神にあれ、
地には平和、御心に適う人にあれ。」
(15)天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。(16)そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。(17)その光景を見て、羊飼いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。(18)聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。(19)しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。(20)羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。
(21)八日たって割礼の日を迎えたとき、幼子はイエスと名付けられた。これは、胎内に宿る前に天使から示された名である。
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説教 「幼な子イエスのしるし」 橋爪忠夫牧師 |
ここ数十年の間、私の知る限りでも、み子イエス・キリストの誕生を祝うクリスマスは随分と豊かになって来ました。私の子どもの頃は、クリスマスに教会に行ってもらうカラー刷りのカードが何よりも嬉しいプレゼントでした。しかし今ではクリスマスを盛り上げ、飾るグッズ類はたいへん豊富になりました。カード、ツリー、リース、ミュージック、絵本、ケーキやクッキー、そして最近では、町並の飾りとしてだけではなく、郊外の住宅街でも、家全体を飾るようなイルミネーションを目にします。これら以外にもクリスマスには、これは欠かせないと思えるものが実に豊富になって来ました。このことは一方から言えば、クリスマスには、こういう装飾や多様な祝いの表現を生むほどの豊かな内容があると言えますが、他方でそれらに心を奪われていると本当のクリスマスが何かを見失ってしまうことにもなりかねません。その意味でクリスマスに際して、クリスマスにあれもこれもと求めるのではなく、逆にクリスマスに欠くことのできないただ一つのものは何かを考えることは大切なことだと思います。この「欠くことのできないただ一つ」を尋ねることの大切さを主イエスはルカによる福音書の10章で次のようなエピソードで示されました。 |
月報「せんぞく」2003年12月号より抜粋 |